「社長がいないと回らない…」社長頼み経営で大丈夫?
外構業界では職人さんも含めて、個々人の技術や経験に依存した経営が一般的のような気がします。その中でも社長が「トップセールス」で「トップデザイナー」「トップ現場管理担当」でもある外構屋さんは多いように思います。
トップのスキルは高くても、それが組織全体に共有されていなければ、結果として「社長がいなければ会社が回らない」というような状態になってしまいます。

このような状態では、会社として安定した技術や営業品質を確保できませんし、業務の多くが社長に集中し負担が大きくなってしまいます。その結果、会社の成長が行き詰ったり、次世代への円滑な経営や技術の承継が難しくなってしまいかねません。
では、どのようにして「組織で戦える会社」へと変革していけばよいのでしょうか。数100社以上の外構業者さんを見てきた元営業マンの立場から考えてみました。
組織を強くするために必要な3つの要素
経営学者バーナードが提唱した「組織成立の3要件」という広く知られた考え方があります。これは、組織が機能するためには、「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の3要素が欠かせないというものです。

組織成立の3要素
- 共通目的 … 会社のビジョンや目標が明確で、全員が同じ方向を向いている状態
- 貢献意欲 … 社員が自らの役割を理解し、会社の成長に積極的に関わる意識
- コミュニケーション … 情報が円滑に共有され、組織内での意思疎通がスムーズに行われる環境
この3つが揃わなければ、組織としてのまとまりを欠き、個々のスキルや経験に頼る経営になってしまいます。強い組織を作るためには、まずこの3つの要素をしっかり整えることが重要です。
具体例としては
具体例
- 共通目的 … 企業理念を明文化したり、品質基準やお客様満足度の目標を設定し社員全員と共有する
- 貢献意欲 … 資格取得や技術研修のサポートを行い、成長段階に応じた評価基準を作る
- コミュニケーション … チャットツールや定期ミーティングなどで、案件の進捗状況や注意点などを話しやすい状況を整える
会社の方向性を明確にし、社員のモチベーションを高め、風通しの良いコミュニケーションを行えるように整えていく事で「組織で戦える外構業者」へと進化していける気がします。
能力とモラールを高める人材育成の仕組み
人材育成を考える際に重要なのが「能力」と「モラール(意欲・士気)」のバランスです。社員の能力が高くても、やる気が低ければ成果は出にくく、逆にやる気があってもスキルが不足していれば仕事の質は向上しません。

育成例
- OJTとOFF-JTを組み合わせる(現場での指導+講習や研修を活用)
- スキルマップを作成し、成長を見える化する(必要なスキルを明確にし、育成計画を立てる)
- 社内でナレッジを共有し、学べる環境を作る(マニュアルや動画教材を活用)
外構業界は概して先輩の仕事を「目で盗め」といった風潮がまだまだ強い業界のように思います。
外部機関などもうまくとり入れ、計画的な育成や標準化を図ることで、社長やベテランのスキルを共有することができれば、誰でも一定の品質で業務をこなせる体制を作ることができるのではないでしょうか?
権限委譲(デレゲーション)を進める
全世界で4,000万部以上売れたビジネス書であるスティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』の考え方に『デレゲーション』という権限委譲の考え方があります。それは、真に効果的なリーダーシップのためには「相互依存の状態(組織全体が協力して成果を生み出す)」が重要であるというものです。
外構業者さんの中には社長が『トップセールス兼トップ技術者』という会社も多いかと思います。「自分がやったほうが早い」ということは多いかもしれませんが、それでは社員も組織も成長していきません。

社長の本来の業務である【経営】に集中するためにも、権限委譲は段階的にでも行っていくべきです。
権限委譲の例
- 社長が担う業務を整理し、適切に分担する(決裁権を段階的に移譲)
- チームリーダーを育成し、判断力を高める(役割ごとに責任を持たせる)
- 失敗を許容し、学びの文化を醸成する(フィードバックの仕組みを導入)
権限を適切に委譲することで、社長の負担を軽減し、組織の自立性も高めることができます。
持続可能な組織へと進化するために
組織の強化は、単に日々の業務を円滑に進めるだけでなく、事業の成長や長期的な発展にも直結します。

例えば、事業拡大を考える際には、組織としての基盤がしっかりしていないと、新しい施策への推進力は生まれません。また、事業承継やM&Aを視野に入れた際にも、組織の透明性や標準化された業務フローは円滑な引継ぎには欠かせないと思います。
ポイント
- 共通目的・貢献意欲・コミュニケーションの3要素を確立する
- 計画的な人材育成を進め、スキルの標準化を図る
- 権限委譲を進め、社員が主体的に動ける環境を作る
仕組みを整えることで、社長がいなくても現場が回る強い組織へと進化し、社長が経営に割く時間を増やすことで持続的に成長できる外構業者様を目指してください。
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営業マンとして数100社の外構屋さんを見てきた身からすると、「当たり前すぎて」なんとも思っていない社内のルーティンが他社と差別化できる強みだったり、「弱みだと思っていた」組織文化が実は伸ばすべき強みなのにと思うことも良くあります。
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