外構業の提案の難しさ

外構工事は決して安い買い物ではありませんから、顧客も予算を意識せざるを得ません。そのため、「とにかく安くしたい」という顧客の希望に引っ張られ、自社のしたい提案が出来ないという悩みを抱えている外構・エクステリア業者様も多いのではないでしょうか。

しかし、安く仕上げても100万円単位の費用がかかるのが外構工事。数万円を惜しんだせいで機能性や品質が犠牲になり、後からクレームが発生するといった話も良く聞きます。これは、顧客も外構業者様も望まぬ結果かと思います。

では、どうすれば顧客の満足度を最大化しながら、適正な価格で受注できるのか?

フットインザドアとドアインザフェイスを示唆するイラスト

その答えのひとつが、心理学を応用した「フット・イン・ザ・ドア」「ドア・イン・ザ・フェイス」の2つの手法です。

  • 顧客との最初の接点で、いきなり価格競争になり、提案の土俵にすら上がれない…
  • 顧客の要望に合わせて予算ギリギリまで価格を下げて提案しているのに、なぜか満足度が低い…

そんな状況になることが多いようでしたら、この2つの手法を活用することで、よりスムーズな提案ができるようになるかもしれません。

フット・イン・ザ・ドアを活用して、顧客の関心を引く

フット・イン・ザ・ドアの手法を活用するシーン。小さな約束から大きな約束を段階的に獲得することを表す

フット・イン・ザ・ドアとは?

「フット・イン・ザ・ドア」とは、もともと訪問販売のセールスマンがドアが閉まる前に「足をドアの間に入れる」ことで、完全に追い出されるのを防ぎ、話を続けることができるというところから名付けられた心理テクニックです。

つまり、小さなお願いを受け入れてもらうことで、後の大きな依頼を通しやすくする手法です。外構業では、まずは気軽に相談してもらうことが重要になります。

外構工事におけるフット・イン・ザ・ドア

外構・エクステリア業者様は、フット・イン・ザ・ドアの考え方を顧客との最初の接点を作ることに活用すると良いと思います。

外構工事はまとまった金額が必要になる事が多いため、お客様も最初はガードが固い状態です。この段階ではお客様の判断基準の優先順位が「価格」であることが多く、提案力や施工力をアピールしても心に響かないことが少なくありません。

フット・イン・ザ・ドアの手法を活用するシーン。顧客との信頼関係を築くために、無料相談、キッズイベント、プラン集などを提案している様子。

このため、まずは気軽に自社を知ってもらい、信頼関係を構築することを優先しましょう。

具体的な活用例

  • 無料相談会の実施
    →ハードルの低い相談機会を設け、商談のきっかけを作る
  • 子ども向けイベントの開催
    → 主要顧客層の家族構成にあわせたイベントを実施する事で、信頼を獲得する。
  • 無料コンテンツや事例の提供
    → 方位別の参考プラン集などで興味を持ってもらい、次の提案につなげる。

上記に加えて、ホームページやSNSを頻繁に更新し自社の認知と信頼感を高めることも、お客様のガードを緩めるのに有効です。

ドア・イン・ザ・フェイスを活用して、納得感のある提案をする

ドア・イン・ザ・フェイスの手法を活用するシーン。大きな約束から小さな約束を獲得することを表す

ドア・イン・ザ・フェイスとは?

「ドア・イン・ザ・フェイス」とは、訪問販売員が最初に大きなお願いをし、それを断られた後に本来の要求を提示することで、承諾されやすくする心理テクニックです。

この名前の由来は、セールスマンが最初に高額商品を売ろうとすると、顧客が驚いてドアを閉めようとするが、いったん大きなお願いを断った後は、「それより小さなお願いなら応じてもいいか…」という心理が働くため、2つ目の提案が受け入れられやすくなるという行動を利用したものです。

外構工事におけるドア・イン・ザ・フェイス

外構・エクステリア業者様は、ドア・イン・ザ・フェイスの考え方を、プラン提案の場で活用することを意識すると良いと思います。

外構初心者のお客様にとっては「価格」以外の判断基準がほとんどないのが普通です。安く仕上げてもそれなりに大きな金額になる事が多い外構工事ですから、あまり価格だけを優先してしまうと、結果的にお客様も自社も満足度の低い案件になってしまう可能性が有ります。

ドア・イン・ザ・フェイスの手法を活用するシーン。最初に高額なプランを提示し、顧客の納得度を高める提案方法。

そこでプロの視点から、ぜひ「価値」の提案をするべきです。

具体的な活用例

  • まずは理想のプランを提案
    → 動線・メンテナンス・将来的なコストまで考えたベストな提案を出す
  • 顧客が「予算オーバー」と感じたら、選択肢を用意
    → 「予算オーバーだからコストカット」ではなく、「最適な選択肢」を提案する
  • ローンや段階的な工事計画も検討
    →お客様のしたい!をかなえられる体制を整える

上記に加えて、ホームページでの施工事例やお客様の声、Googleマップでの好意的なクチコミなどは、お客様に「価値提案」の重要性を知ってもらうツールになりますので充実させておくと良いでしょう。

テクニックは顧客満足のために

大前提として、外構工事のドア・イン・ザ・フェイスの手法はあくまで「価値提案」として行われるべきものなので、お客様の要望の綿密なヒアリングや、提案力や施工力の裏付けは必須です。

外構工事の顧客満足を第一に考えた提案のイメージ。施工後の満足度を高めることが大切であることを示している

トークスキルだけでドア・イン・ザ・フェイスの手法を使おうとすると、引き渡し後にクレームが発生したり、中長期的に地域での評判を落とす事にもなりかねませんので、プロとして顧客満足につなげることを第1に考えてください。

効率的な受注体制を構築するために

フット・イン・ザ・ドアで顧客の関心を引き、信頼を構築しながらドア・イン・ザ・フェイスで満足度の高い受注を獲得する。

この一連のプロセスを強化するためには、SEO・MEO・SNSを活用してスムーズな問い合わせ動線を作ることや、ホームページの充実を図ることが不可欠です。

飯塚企画では、外構業者様のWEB戦略をトータルでサポートしています。ホームページやSNSの活用を強化したい方はお気軽にご相談ください。

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